ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2

 ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2『Harry Potter And Deathly Hallows Part 2』…ハリー・ポッターシリーズ最後のとなる本作品だが、ハリー・ポッターと死の秘宝 Part 2以前の作品を全く鑑賞したことがない人の立場だと「名作なのか?」という疑問が浮かぶかもしれない。ハリーって誰? ロンの役割は? ハーマイオニーは何をする人? みたいな感じで、まず彼らの人物像を探る事から始まるだろう。

 だが一方でこれまでの7作品を、一部でも見たことがある人ならばこの物語にすんなりと溶け込めるに違いない。もちろん私はこれまでの作品を見てきているので、ハリー・ポッターシリーズが名作だと確信している。だが、今回だけを鑑賞すれば「名作とは言えない」と主張する人もいるだろう、だからこそ本編を見る前にシリーズの一作品目から見て欲しい、と思う。と同時に主人公の3人組が10年間でどれだけ成長したのか? これも楽しんで欲しい部分である。

 物語はPart 1の続きから始まる。これまでのハリー・ポッターシリーズでは、一遍で物語が完結していたが、最後の市の秘宝に関しては二編に分けての上映となっている、ゆえにPart 1. Part 2と、分かれている関係で、前回に上映された最後のシーンを知らないと本編の冒頭部分が分かり難いかも知れない。もちろん今回の作品が初めてという人もいるだろうから、その辺りは十分に練られているに違いない。

 ただ、ストーリーを全て述べるとネタバレになるので個人的に気に入った「19年後」というまるでクイズみたいな言葉を記述してみよう。19年後に自分はどんな生活を送っているのか? そんなことを考えたことはないだろうか。もちろん10年後でも構わないし、20年後でも構わない。だけどこの作品に関してはなぜか19年後という設定がされていた。つまりそれだけ原作を書いた「J.K.ローリング」が変わった人物で、だからこそ完成できた物語だったのだろう。

 ところで10年にわたり製作されたハリー・ポッターシリーズだが、この手のシリーズものの映画がきれいに完結するというストーリーは私の記憶の中にはない。日本で言えば「男はつらいよ」の寅さんシリーズとか「釣りバカ日誌」のように全国でロケをした映画などはあるが、それらはすべて一話完結型であり、計算されたうえでの連作とはなっていない。また洋画に目を移しても007シリーズも人気作品だが一話完結だし、最近話題になった映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」も今のところ最後がどうなるのか決まっていない。

 このように完結した映画として考えると本作品「ハリー・ポッター」がどれほど完成された映画だったのか、想像する事が出来るだろう。その要因として挙げられるのが「J.K.ローリング」という作家が書いた小説の内容が、考えに考え抜いた物語だったからに相違ない。そのぐらい原作に沿った内容であり、忠実に再現された映画ともいえる。つまり私から見ると「人生最高のシリーズ映画」という表現になる。

 その一方で、すべての映画に通じる事ではあるが、小説の全てが描かれている訳ではない事も認識すべき点である。例えば出演している人物の19年後にどのような職業を選択したのか、小説では詳細に描かれているが、映画では限りなくゼロであった。この辺り原作の小説を私は読んでいなかったので、その時点では分からなかったが、一緒に鑑賞した妻と感想を述べ合っていて「なるほど」と思った次第である。

 さらに私が絶賛する理由のもう一つに「伏線が上手に組み込まれて居る」という点が挙げられる。伏線って何? と思われる人の方が圧倒的に多いだろうが、物語を創作するうえで重要な考え方であり、基本とも言えるテクニックの一つである。例えば「論はなぜチェスが上手なのか」分からなければせっかく撮影したシーンの意味がファンに伝わらない。ヴォルデモートがなぜ悪人の役で、どうして倒す必要があるのか、事前に分かっていないと戦闘シーンの意味がない。

 だからと言ってこれらの事項を事細かく説明していると、それは映画ではなく、つまらない会議と同じである。読者を物語に引き込むためには、読者の心を鷲づかみにする必要がある。皿に興味を持たせるためには「魔法の世界がある」という認識を読者に持たせる必要がある。その為にはいちいち説明するのではなく物語の進行に沿った出来事を利用して読者の心に刻むことが重要な点となる、これがつまり伏線というテクニックとなる。

 もう少し説明すれば「魔法の世界」は有り得ないと通常の人は考えているだろう。だから「魔法の世界は有り得ない」となるが、それを「有り得るかも知れない」と読者に思わせるテクニックでもある。そう思う人物の心理には「魔法が使えたら楽しいだろう」という思いも脳の片隅に隠し持っている人が多いだろう。原作者、監督など捜索する立場の人は、これらの要素を上手に使い分けたうえで「終わる怖さ・永遠の別れ」という感覚と、親から見た「子供の成長」という意味も上手に組み合わせているのだ。

 さて最後になるが、これから本編を見るという人の為に個人的なキーワードを挙げてみよう。だからと言って、深く考える必要は全くないし、覚えておく必要もない。映画を見ていて「そういえば……」と思い出す程度で十分だと思う。むしろその程度の方がより映画を楽しめることに成るに違いない。

リリーの目
セルブスの想い
ハリー・ポッターの死
母親の思い
銀行に行く
分霊箱

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