リアル・スティール

 リアル・スティール2011-12-24…2020年代、ボクシングは人間同士の殴り合いではなく、ロボット同士の戦いへと変化していた。生物の中で人間だけが持つ独特の「対立」と言う感性が現在よりも非道なものを求めるようになっていた。その結果生身の人間では成立しないゲームへと変貌、ロボット同士で派手になぐり合うゲームが好まれるようになった。

 その結果、誕生した組織がワールド、ロボット、ボクシング、略して「WRB」である。

 世界の公式ゲームはこの組織が管理することとなるが、どこの世界でもアンダーグランドは存在し、今回活躍する人物もアンダーグランドでの生活を送っていた。

 元々はプロのボクサーであったが時代の流れと共にロボットを操る仕事へと変わっていたのだ。

 だが彼の性格が災いし、持っている財産を投げ出しては中古ロボットを購入、アンダーグランドで勝負を仕掛けては負けるという生活を送っていた。その彼にある日二人の男性が近づく。彼の子供の母親が亡くなり、子供の養育に関する問題を解決すべく彼を探していた人物だった。そして彼は11歳になった息子と出会うことになった。

 と、こんな感じで始まる映画でしたが、ストーリーは至って素直です。彼の子供が登場したあたりで映画全体のシナリオが頭に浮かんだぐらいです。ストーリーが分かると面白くない!! と考える人もいるでしょうが、実はとても重要な事です、鑑賞する立場である観客が「思い通りに話が展開する」と言うのは観客の期待を裏切らない、と言う意味です。

 逆に観客が「期待していない方向に進む」と今度は登場する人物を応援したくなる、素直に書かれている物語だからこそ、素直に反応することが出来、結果的に「見ている人が想像する通りに映画が完結する」これこそが一番重要な点だと思います。そして映画の中に登場する人物の動き、音楽、演出、すべてが見事に組み合わさって完成度を高めていくのです。

 この要素が映画「リアル・スティール」の中で見事に花を咲かせたようなイメージです。演出と言えば普通、主人公が決まっているはずですが、この映画に関して言えば主人公の特定ができない。ロボットなのか、それとも一時は落ちこぼれたお父さん役なのか、それとも息子が主人公となるのか。もちろんキャストを決めた時点では割り当てられたでしょうが、映画を見る限り誰が主人公なのか、判明しない。

 このようなイメージでストーリーが進行するのも珍しいですが、この3人(二人と一機)が関係が微妙に釣り合っていて、例えばロボットと息子がダンスを踊ったり、父からロボットがボクシングを教わったりと普通では考えにくい演出があらゆるところで発揮されています。もちろん父対息子と言う場面もありますし、父の苦悩もあります。

 ちなみに日本びいきの監督(もしくは脚本家)がこだわっている部分が楽しいです。特に映画の冒頭で良く解るのですが、それらを期待してみるのも楽しいでしょう。また、ロボットのCGが見事です、本当に生きているような感じで動き回りますから、ロボットマニアは必見の映画と言えます。何度も「本当にCGなのか」と疑い、様々な場面で観察しましたが、CGであるという確証を得る事は不可能です。

 実際にはロボットの中に人がいて、微妙な動きを演出しているのか? とも考えましたが、間違いなく見える部分からはロボットのパーツしか見えません。だから本当にこの様な動きができるロボットがいるのでは? と錯覚するぐらいですが、ロボットの先進国である日本でも実際に走れるロボットはホンダのASIMOぐらいですから、映画の中と現実の世界を混ぜないように注意が必要です。

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