映画「GANTZ Perfect Answer.」を見に行きました。前作のGANTEZ(ガンツ)の続編となる作品でしたから、画像、特にCG(コンピューターグラフィック)に期待をしており、見事なまでに私たちを裏切ることなく迫力満点の映画に仕上がっていました。もちろん個々の考え方によって映画の在り方に違いがある事は想像できます。
逆に言えば映画の作り手にも様々な監督、俳優、脚本家など多くの人が絡んでいて、彼等達の思いもまた個々により違います。もちろん全体像は監督に任せる事になりますが、細かい部分では俳優の意見を取り入れたり、その他のスタッフに意見を求めたりもするでしょう。このような意見がまとまって初めて一つの映画に仕上がります。
つまり全ての映画には個性があり、たとえばストーリーが重視なのか、映像の美しさを求めているのか、出演する俳優たちを目立たたせる事が目的なのか? 全ては時代背景や経済状況に応じた考えを基に製作されていきます。ゆえに例えばストーリーに不満が出たり、画像に不満が出たりするする人もいるでしょう。
そのあたりを考慮しながら個人的な意見を言えば、原作となる漫画の特徴を生かしながらも自身の考えを含ませようとした結果、少しだけ歪んだ世界、ストーリーに仕上がったかな? と極めて小さな疑問が浮かんできます。ですが見ている間は、画面からはみ出るような勢いを感じるような動きが、私の知らない次元に連れて行くようなイメージでひと時も目を離す事が出来ないと思わせる術に唸りました。
言い換えると「この場面の次はどのような場面に移り行くのか?」この点ばかりが気になって、ストーリーの展開をチェックするような余裕がないほどでした。ただ見終わってから改めて考えるとストーリー展開に無理があるような、要するに物語に必要となる「伏線」が上手に使われていないように思えます。
簡単に言えば、推理小説で最後に「全く関係ない人が犯人だった」と言う展開になったようなイメージで、もちろん小説と映画ではメディア媒体としての立場に違いがありますが「物語」と言う意味では同じと捉えても構わないと思っています。その意味でいえば見終わって少し経ってから「物足りなさ」を感じる人が居ても全く不思議ではないでしょう。
元々が青年向けの漫画から発生した人気コミックを原作としていますので、現実の空間で「空想の世界」を表現すること自体に無理があり、それらを考慮すれば十分見ごたえのある作品に仕上がっているでしょう。なお、前作を見ていない人には分かり難い部分もあるでしょうが、作品の冒頭で少しだけ紹介があるので、何とかなるのではないでしょうか?
逆に言えば先入観なしに見始めても、それなりに楽しめる世界に仕上がっているでしょう。最後にもう一度言いますが、この作品にストーリー性を求めるよりもCGのテクニックや俳優の動き、戦闘シーンの作りこみなど、見落とさずに見ていただきたいポイントが多々あります。できれば事前に映画パンフレットの記事を十分に読んでから鑑賞すればより楽しめる世界だと思います。